紛瘤が一度もできたことがない人もいれば、繰り返し何度も紛瘤ができているという人もいます。良性の腫瘍とは言え、実際に自分の身に紛瘤ができた時のストレスは本人にしか分かりません。なぜ紛瘤はできやすい人がいるのでしょうか。原因や予防方法はあるのでしょうか。
今回は、粉瘤のできやすい人の原因や予防法などについて紹介していきます。
粉瘤とは?
紛瘤は皮膚にできる半円の良性腫瘍です。基本的に痛みもないのですが、炎症性紛瘤に悪化すると強烈な痛みを伴う事もあります。また、ほとんど心配する必要はありませんが、癌化の報告もされています。
紛瘤の正体は、脂肪などではなく古い角質や皮脂といった老廃物が袋に溜まってしまったものです。通常の皮膚は袋状の構造を持ってはいませんが、何かしらの理由で毛穴の皮膚がめくれあがり袋状になってしまうとそこに角質等が溜まってしまうんですね。ですから、しこりの中には古い角質や皮脂が混ざりあったかたまりが入っているのです。紛瘤が大きいということは、それだけその内容物が大きいという事になります。
粉瘤ができやすい人の原因は?
紛瘤ができやすい人は、治療をしても何度も腫瘍が発生します。同じ場所に再発をする事もあれば、違う場所にできる事もあります。しかし、こうした紛瘤ができやすい人の原因は、体質と言わざるを得ないのが現在の状況なのです。体質といっても、紛瘤ができやすい人に明らかな共通点がある訳ではありません。紛瘤が脂肪の塊だと言われていた頃は、体型が太りぎみの人や甘いもの、油っぽい食べ物が好きな人、皮膚が脂性の人にできやすいと思われていました。しかし、実際には体型や食べ物は関係がありません。そのため体質により紛瘤ができやすいとは、原因不明と言いかえることができます。
粉瘤ができやすい場所と原因は?
紛瘤は全身の皮膚にできる疾患ですから、どこにでもできる可能性があります。特にできやすいと言われているのが、顔や耳、背中、脇や股などです。また、毛漏斗部分がめくれあがる事で角質や皮脂が溜まる袋ができる為に、毛穴のない場所よりもある場所にできやすいとも言われています。まず、紛瘤の原因はすべて解明されているわけではないという事を念頭においておきましょう。現在のところ分かっているのは、外傷によるもの。そしてウイルスによるものです。そのため、毛穴のない手のひらや足の裏なども外傷により紛瘤が発生するケースもあります。
紛瘤を治療しても再び同じ場所にできる人は、袋が完全に除去しきれていない可能性もあります。通常は、切開やへそ抜き法という外科的手術により、内容物も袋も取り除くことができれば紛瘤は完治すると言われています。しかし、こうした外科的手術をしても場合によっては袋が残ってしまっている事があるんですね。
その原因のひとつは、手術をした医師の腕によるもの。この場合は、信頼のできる病院へかえる事によって再発を予防する事ができるでしょう。また、炎症がある状態で手術をすることで、再発をしやすくなる場合もありますので、薬などで炎症をおさえるなどしてから手術をするケースが多くなっています。ここは医師の判断による部分も多いでしょう。
また、中には手術が怖いと内容物を排出させるだけの治療や軟膏を塗布だけの治療を選ぶ人もいます。これも再び紛瘤ができる原因になってしまいます。
粉瘤ができてしまったらどうすればいいの?
まずは皮膚科を受診
紛瘤ができてしまった場合、痛みなどがなくても取ってしまいたいと思うなら皮膚科や形成外科、美容外科を受診しましょう。最初は皮膚科から受診をすることをオススメします。なぜなら自分では紛瘤だと思っていても、実は別の皮膚疾患という可能性もあるからです。
紛瘤に似た疾患は実に多く、医師でも見分けが難しいケースもあるので知識のない素人はより、間違いやすいと言えます。ですから、まずは皮膚科で病名を明らかにすることが大切です。
悪化する前に治療
痛みがないからと放置すると紛瘤が巨大化したり炎症を起こし痛みを生じたりすることも少なくありません。その予防の為にも、紛瘤が気にならないうちに病院で治療を受けるのも賢い選択です。
幹部を圧迫しない
絶対にやってはいけないのが自分で患部を圧迫するなどして治療を試みることです。炎症性紛瘤へと移行する原因のひとつには、患部への圧迫があります。紛瘤を治そうとして行ったことが、症状を悪化させる原因になってしまっては本末転倒ですね。もし、炎症性紛瘤になってしまったら、すみやかに病院を受診するようにしましょう。症状が悪化するぶん、治療も難しく跡も残りやすくなります。
粉瘤は予防できる?
紛瘤が体質の場合は、予防することは難しく、繰り返さない為には治療をしっかりとすることです。特に症状が軽いうちに対処をした方が紛瘤が繰り返しできるのを予防する効果が高くなります。また、体質による紛瘤を予防する方法はありませんが、炎症性の紛瘤を予防することはできます。細菌の感染を防ぐこと、そして患部の圧迫を避けるようにしましょう。
まとめ
紛瘤ができやすい人にとって、この症状はかなり大きなストレスになるでしょう。全身の皮膚、特に毛穴がある部分に見られやすい皮膚疾患ですが、顔や耳、背中や股などによく起こります。顔などの目立つ部分にできやすい人は特に気になるでしょう。
しかし、残念ながらなぜ紛瘤ができやすいのかは分かっていません。外傷性紛瘤などの場合は、怪我などに注意することで防ぐ事が可能ですが体質的にできやすい場合は予防も難しいです。できることは、信頼できる医者を探すこと、炎症性の紛瘤にさせないことのみです。