顔に粉瘤ができる原因とは？治療法は？予防法はあるの？

顔にできたしこりがいつまでも治らない、どんどん大きくなっている…それはニキビでも脂肪でもなく粉瘤かもしれません。顔にできた粉瘤は、見た目が気になってしまいますよね。このページでは、粉瘤が顔にできてしまう原因や、治療方法などを紹介していきます。粉瘤ができても慌てないように、また、適切な対処ができるように顔の粉瘤について知っておきましょう。

粉瘤が顔にできる原因は？

顔に粉瘤ができると、ニキビのように顔の汚れが原因じゃないかと考える人がいます。確かに粉瘤の中身は、古い角質や皮脂といった老廃物ですが、毛穴が詰まる事によって起きる訳ではありません。

ニキビなどは毛穴の出口がふさがり、皮脂が排出できなくなってアクネ菌が増殖することで起こります。しかし、顔の粉瘤は皮膚の下にできた袋の中に古い角質や皮脂が落ちてしこりのような腫瘍を形成します。この袋は、顔の汚れのせいで作られる訳ではありません。

実はこうした袋が皮膚の下にできる原因は解明されておらず、現時点で分かっているのはウイルスや外傷によるものです。そのため、顔にできた傷やニキビから袋ができて粉瘤になる原因になっていることも。他は体質としか言いようがなく、外傷などの原因がなくても顔に粉瘤ができてしまう人がいます。

顔にできる粉瘤の特徴は？症状は？

粉瘤は、できる部位によって特徴が違うということはありません。ですから顔にできる粉瘤も、他の粉瘤と同じで小さいうちは炎症もなく目立ちません。よくみると中心に黒い小さな点があります。ただし、顔の粉瘤は他の部位よりもつい気になって触りがちだったりスキンケアやメイクなどて触れたりする機会も多いため状態が酷くなってしまうことも少なくありません。

粉瘤の治療方法

顔にできた粉瘤を治したのなら、皮膚の下の袋を除去してしまうことです。その方法には2つあります。

切開法

ひとつは部分麻酔の注射後に粉瘤のできた部分の顔の皮膚を切開して、内容物のつまった袋を切開した部分からとってしまうものです。そして切開後は縫合をし、傷口がふさがったら抜糸をして治療終了となります。

へそ抜き法

もうひとつは、皮膚にメスをいれるのではなくトレパンという器具を使用して穴をあけ内容物と袋を取り除く治療方法です。顔の場合、粉瘤の中心に見える黒い点を中心に数ミリの小さな穴を開けます。切開のように縫合をしなくても良いので顔の治療方法としてはこちらの方が一般的です。

根本治療なら手術が一般的

顔の粉瘤をきちんと治したいと思うなら、上記に紹介した2つの治療方法(手術)がオススメです。手術以外にも内容物を出すだけであったら、薬を服用するといった治療方法もありますが、袋が残っているためにそこにまた角質や皮脂が溜まってしまうケースも多いのです。何度も辛い思いをするよりなら、しっかりと手術で袋を取り除いてしまった方が良いのではないでしょうか。

跡は残らない？

とはいっても場所が顔だけに、手術を跡が残るのではないかという心配もありますね。確かに切開の場合、手術後に縫合をするため傷跡は残ります。しかし、粉瘤の大きさにもよりますが、顔の切開の場合はなるべく傷口を小さくして手術を行いますし、時間の経過により次第に傷跡は目立たなくなっていくものです。大きな粉瘤や炎症を起こしている粉瘤と比べても、傷跡の方が目立たないことが多いでしょう。また、トレパンを使用したへそ抜き法では、数ミリの穴をあけるだけで済むため術後1週間もすれば、ほとんど目立たなくなります。

治療費用の相場は？

顔は露出部位なので、お尻や背中といった非露出部位よりも手術費用は高くなってしまいます。大体手術費用だけで5000～14000円、これに診察代や検査代が加わるので、実際の支払い額はもっと高くなるでしょう。費用に幅があるのは、粉瘤のサイズによって金額が変わるからです。大きくなるほど粉瘤の治療費用も高くなります。

粉瘤は自然治癒しない！早めの受診を

お金もかかるし、病院へ行くのも億劫だと放置していても基本的に命の危険性はありません(ただし癌化の報告もあります)。ただ、ニキビは治療をしなくても自然と治ることも珍しくありませんが、粉瘤は自然治癒することはありません。ずっと同じ大きさをキープすることもありますが、大きくなる可能性のほうが高いでしょう。

また、放置しつづけて粉瘤の内容物が固くなってしまうとへそ抜き法では治療をする事ができない場合が出てきてしまいます。すると傷跡が長く残る切開方法しか選べなくなってしまうことも。傷跡は普通なら時間と共に目立たなくなっていきますが、体質によって跡が残りやすい人もいます。放置をすることで、普通なら日帰りでできる粉瘤の手術を入院して受けなければならなくことさえあるのです。

そうした事を考えると、自然治癒することのない顔の粉瘤は跡を残さない為にも、そして入院をしなくても済むように早めの治療が賢明でしょう。

粉瘤の予防法は？

顔の粉瘤の予防方法は、カミソリや毛抜きなどで顔を傷つけないことや極力ニキビなどを作らないことです。しかし、上記を守っても体質によることも多いとされているため、予防しきれないことが多いものです。

まとめ

顔の粉瘤は、ニキビと間違うこともありますが、その原因も全くの別物です。必死に洗顔をしたり、消毒液などで殺菌したりしても意味はありません。予防もなかなか難しいので、できてしまったら小さいうちに病院で手術をしてしまいましょう。その方が、切開でも傷跡が小さくて済みます。

また、内容物が固形化する前なら、縫合の必要がないへそ抜き方法でも治療可能です。よく考えて自分にとってベストな選択をしましょう。