ある日気がついたら、体にしこりのような物体ができていたらびっくりしてしまいますね。ニキビでもおできでもないその正体は、粉瘤といわれるものです。ストレスなどが原因と言われていますが本当なのでしょうか?
このページでは、粉瘤の原因について解説していきます。
粉瘤とはどんな症状?
紛瘤は、一見すると大きなニキビやおできと勘違いしてしまいそうなしこり状の皮膚疾患です。大きさは人それぞれですが、ニキビやおできよりも大きく成長している事が少なくありません。通常は、皮膚と同じ肌色をしていて、しこりの中心をよく見ると黒い小さな点が見えることも。これは紛瘤のへそとも呼ばれる開口部ですが、場合によっては見当たらないこともあります。症状が悪化してしまうと、赤く炎症をし、膿をもって紫に腫れて痛みを伴う事もあります。紛瘤と似た皮膚疾患は多いため、はじめてできた人はこれが紛瘤という実感だと気がつかない人もいるでしょう。ニキビと同様に脂肪のかたまりだと勘違いするケースも見られますね。
ですが実際には、何らかの理由により皮膚の深部で袋状の構造が出来上がってしまい、そこに本来ならば外に剥がれ落ちるはずの古い角質や出ていけなくなった皮脂がたまり膨れあがってしまっている状態です。皮脂のみがたまっている訳ではないので、開口部から自然に排出されて治るということは期待できません。そのままの大きさを長年維持するか、少しずつ大きくなり、急激に成長することもあります。
ほとんどは良性の腫瘍のため命にかかわる訳ではありませんが、見た目的に気になることも多く悪化すると激しい痛みを伴うので、治療をすることを勧められる皮膚疾患です。
粉瘤の原因はストレス?
皮膚疾患の中には、ストレスが原因となってホルモンバランスが乱れることで起きるタイプのものもあります。例えば、ニキビなどはストレスで大人の肌に大量発生することもありますよね。ストレスにより肌状態が左右されるという経験をした事がある人も少なくないでしょう。しかし、紛瘤の場合は、ストレスが発症の要因ではないと考えられています。
粉瘤を引き起こす一番多い原因は?
紛瘤ができるのは、皮膚の下にできた袋の中に角質や皮脂がたまるせいだと説明しました。つまり、紛瘤はこの袋ができなければ古い角質などがたまる場所もなく発症しないという事になります。
そしてこの袋ができる大きな原因は外傷によるものだと考えられています。完全に紛瘤の原因、つまり袋状の構造ができる原因が解明された訳ではありませんが、外傷が多い原因だというのは間違いありません。また、ウイルス感染が引き金になることも。皮膚にできた擦り傷や打撲、ニキビやおできによる皮膚へのダメージが紛瘤の原因となることもあるのです。ただ、一番多い原因となると原因不明…が最も多いといえるかもしれません。
粉瘤の治療法の種類は?
紛瘤は、その皮膚の奥の袋を取り除いてしまう事が根治治療となります。
切開
袋を取り除くための方法としては、皮膚をメスにより切り裂く切開方法があります。皮膚を切開してしまうため、袋が取り除き安いというメリットがありますが、紛瘤のサイズにもよりますが傷跡は大きめになってしまうというデメリットも。
へそ抜き法
そして最近増えているのがへそ抜き法という、治療方法になります。こちらは医療用のパンチを使って紛瘤の一部に穴をあけ、その穴から内容物を取りだし最後には小さくなった袋も除去するという方法です。これだと切開するよりも傷跡が小さくてすみ、手術時間も大幅に短縮され20分以内で済むでしょう。
内服薬・注射
炎症がひどい場合などで手術ができない時には抗生物質の服用やステロイド注射などが行われることも。これは根治治療ではなく、あくまでも対処療法にしか過ぎません。炎症や痛みがひいたあとに、切開やへそ抜き方法による治療にあたるケースが多くなっています。
粉瘤の予防できる?
紛瘤は完全に予防できるのかというと、なかなか難しい問題です。発症する原因の中で多いのは皮膚への外傷となります。ですから、怪我をしたりしないように気を付けるのが、紛瘤を予防するためにできることになるでしょう。傷つけたり、ぶつけたりというだけではなく、ニキビなどの皮膚疾患も皮膚の細胞にダメージを与え、のちのち紛瘤の原因となる事もありますから、怪我だけではなく皮膚にダメージを与えないように注意することが予防へと繋がります。
しかし、紛瘤を完全に予防するのが難しいといった理由には、体質的なものもあると考えられるからです。また、一度紛瘤になると再発をしやすいものもこの疾患の特徴なのです。
まとめ
紛瘤の原因はストレスではなく、その多くが外傷などによる皮膚へのダメージとなります。ですから、生活習慣や食事は予防としては有効とは言えません。紛瘤の予防には、体質的なこともありますが、まずは外傷や皮膚へのダメージについて注意をしてみましょう。残念ながら体質による原因不明の紛瘤に関しては、確実な予防方法は現在ありません。
ただし、炎症性の紛瘤を予防するには、衛生面に気を付けることや患部を圧迫しないようにすることが有効です。